快眠セラピスト/三橋美穂先生インタビュー

 

私たち人間は毎日の睡眠が欠かせません。
しかし、昼と夜の区切りがあいまいで24時間社会となった現代では、不眠が大きな社会問題となりつつあります。
人生の3分の1を費やすといわれている「睡眠」をもう一度見直してみませんか?
今回は快眠セラピストとして活躍中の、有限会社Sleepeace代表・三橋美穂さんに、より良い睡眠について聞きました。


━━━近年、寝つきが悪い、眠れないなど、睡眠に関して悩んでいる人が増えていると言われていますが、睡眠に関するお仕事をされていて感じられることはありますか?

  •  眠りに悩んでいる人は、4~5人にひとりと言われていて、寝つきが悪いですとか途中に何度も目が覚めて困っているとか、もしくは寝ても疲れが取れないなど様々な悩みを聞いてきました。その結果、日中の活動に支障が出ているということが問題で、頭がぼんやりしていて集中力が続かないとか、ストレスが解消されないので、それをずっと放っておくことによって、ゆくゆくうつ病にかかりやすいということが分かってきています。また、40代以降の睡眠はとても大事なのですが、その時に睡眠の質が悪かったり時間が十分でないとその後何年、何十年したときに、認知症になるリスクが高まるということもわかってきています。
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  •  それから、睡眠不足になると肌も荒れやすくなったりだとか、髪がパサついたり、また食欲ホルモンも増えるので太りやすくなる、ということも分かってきています。ダイエットがうまくいかないのは自分の意志が弱いのではなくて、良い睡眠がとれていないことがとれていないことが土台にあるのかもしれませんね。
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  •  日本人の睡眠時間がとても短いことが世界的にも知られていて、その睡眠不足による経済損失というのも試算されていています。その金額はなんと3.5兆円。これに医療費なども含めると5兆円という試算がなされているんです。睡眠によって経済に与えるダメージも非常に大きいので、企業のリスクマネージメントという観点からも、良い睡眠をとるというのは大事なことですね。

 
━━━では、良い睡眠をとるためにどのようなことに気を付ければよいのでしょうか。

  •  良い睡眠をとるためには、まず体内時計を整えるという事が大切なので、毎朝決まった時間に起きて太陽の光を浴びて朝食をとる。この一連の流れで体内時計が前に進んでリセットされます。そして夕方以降はだんだん寝るモードに変えていって、照明を落としたり、寝る1~2時間前はリラックスタイムを設けながら眠る準備を整えていくことが大切です。
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  •  もうひとつ、皆さんが見落としがちでとても睡眠に影響するのが、夕方以降は居眠りしないということなんです。たとえば、夕食後にうたた寝したり、帰宅途中の電車の中でのうたた寝したり。そこで疲れが減ってしまうと、その後に疲れが溜まるまでに時間が掛かってしまい、いつも寝る時間に眠気が来ないということがありますので、就寝前8時間はしっかり起きておくということも心がけておいてください。

 
━━━日々の意識が大切になってくるということですね。年齢などによって睡眠の質の違いや、気を付けることなどはありますか?

  •  年齢によって睡眠で気を付けるべきこととしては、加齢によって年齢を重ねていくと睡眠時間が短くなっていくのが一般的です。25歳で7時間、45歳で6時間半、65歳で6時間と徐々に短くなっていくんです。高齢の方で意外と多いのが時間に余裕が出来るので、お布団の中にいる時間が長すぎて逆に不眠が起きていることがあります。寝つきが悪いとか眠りが浅いなという場合は、寝床にいる時間を短くする。ということをやってみてください。

 
━━━寝るときの環境はどのようなものがよいでしょうか?

  •  寝ているときは無意識な状態ですから、その時に安心して心地よい状態の寝室をつくる。肌ざわりの良い寝具を使ったり、体に合った枕やマットレスを使うなど、睡眠中の寝具にも気を配ってみてください。

 
━━寝るときの服装はどのようなものがよいでしょうか?

  •  眠りはじめには体温を下げるために汗をかきます。ですからしっかり汗を吸える吸湿性の良いというのがまず大切です。綿の素材やシルクの素材など吸水性の良い素材を使うことですね。パジャマのサイズは、ぴったりしすぎず、寝返りを打つ時に背中や腕のあたりのつっぱりが気にならないぐらいのゆったりしたものがいいですね。

 
━パジャマにもいろいろな種類がありますが、どのような点に気を付けて選べばよいでしょうか?

  •  パジャマはさわった時の感触が柔らかいもの、肌に触れるものというのは柔らかい感触の物の方がリラックスできて副交感神経の働きがスムーズだと言われています。あとはウエストのゴムの締めつけが出来るだけゆるいものの方が良いですね。睡眠中の血行やリンパの流れを妨げないという事が大切です。
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  •  最近は、寝ているときに部屋着でそのまま寝てしまうという方も多いと思います。私自身も学生時代はそうでしたが、20代のある時、パジャマに変えたら翌朝の目覚めがすごく良くて、体が軽くてびっくりしたことを覚えています。それは、やはりパジャマというのは眠ることを考えて作られたものなので、例えば水泳なら水着、マラソンならランニングウエアといったように、それぞれのシーンに合ったものがあります。眠ることを考えた時、パジャマを着るといことを見落としがちなのですが、とても大切なことだと思います。

 
━パジャマも大切な睡眠アイテムのひとつというわけですね。最後によりよい睡眠について一言お願いします。

  •  なぜ眠るのかと言えば、よい日中の活動、よい人生を過ごすための睡眠だと思うんですね。良い睡眠をとること、それは「質」のよい睡眠、適切な時間をとることで、日中を活き活きと過ごす源になります。ぜひ睡眠環境を整えながら自分に合ったお気に入りのパジャマを見つけていただければと思います。

快眠セラピスト
三橋美穂
寝具メーカーの研究開発部長を経て、2003年に独立。わかりやすく実践的なメソッドが、テレビや雑誌等で支持を集め、睡眠のスペシャリストとして多方面で活躍。著書に『驚くほど眠りの質がよくなる睡眠メソッド100』(かんき出版)のほか、世界的ベストセラー『おやすみ、ロジャー魔法のぐっすり絵本』(飛鳥新社)の日本語版を監修。

 
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